ヨッシーにとってはデビュー作である『スーパーマリオワールド』以来のスーパーファミコンへの凱旋であり、 5日後には『ヨッシーのロードハンティング』の発売を控えたタイミングです。立て続けに主演作が発売され、ヨッシーファンにとっては夢のようなひとときだったことでしょう(^^)
あー、スーファミ版はやったことないのよね。 出たのは知ってたんだけど、機会がなかったわあ。
なぜ?
えっ(´Д`;)
答えなさい。なぜスーパーファミコン版をプレイしなかったのかしら?
なんか詰問が始まったぞ(´Д`;)
なぜって…当時まだファミコン・ゲームボーイ版が出てからたった8か月でしょ。 日が浅いし、遊び倒したばかりで少し飽きてるタイミングだったのよ。 だから、内容が大して変わらないならわざわざ値段も高いスーファミ版を買おうとまでは思わなかったのよね。
どうやら大いなる誤解があるみたいね。 内容が同じなんて誰が言ったのかしら。 勝手な先入観で評価するなんて冒涜…許しがたいわ。
ひいいいいいい!!Σ((((゜Д゜;)))))
ご、ごめんなさい!!
やれやれ(´Д`;) タイトルが同じだから同じように勘違いをしている人もいるかもしれないが、スーパーファミコン版は旧来の要素に新モードが加わり、新作と言ってもいいくらいなんだぞ。
今回は件の新モード、『パズルモード』を軸に紹介させていただきますね(^^)
パズルモードは一人用のゲームモードで、決められた手数でクッキーを全部消すお題を解いていくのよ。 全部で100問用意されているわ。
マリオの上に大きく書かれている数字が残りの手数。
要は詰め将棋のような思考パズルだ。 反射神経よりも大局観や洞察力がものをいう。 例えばこの問題だと、1手で全て消しきらなければならないわけだ。
こんなの、こうよ!
クッキーを横一列に揃えよう。
おいおい、最初のステージをクリアしたくらいで得意になるなよ(´Д`;)
ここで一度『ヨッシーのクッキー』のルールをおさらいしておきましょう。 フィールドに敷かれたクッキーを列ごとスライド移動させて、同じ模様のクッキーを一列に並べます。 するとそのクッキーは消え、新たなクッキーが送り込まれるという仕組みですね。
だけどこのパズルモードではクッキーが新たに送り込まれることはないわ。 初めから見えているクッキーだけで勝負することになるわけ。
序盤は簡単だが、徐々にクッキーの数が増え配置が複雑になり、必要な手数も増えていく。 やがては8×8のフィールドをフル活用したこんなステージも登場するようになるぞ。
敷き詰められたクッキーの迫力は圧巻。
えーっ、なにこれ! こ、これはなんというか解き甲斐がありそうね…(´Д`;)
解き方のコツはある。まずは完成形がどうなりそうなのかイメージしてみるといい。 ちょっと簡単なステージで試してみるとしよう。
2手で消すにはどうしたら?
こちらのステージでは縦に6段、横に4列のクッキーが並んでいます。 まずは最初に消すことができそうなクッキーを見つけ出してみましょう。
この手数で横に4つ並べられるのはチェック柄のクッキーだけね。 縦に関しては6個あるのがそもそもハートしかないわ。このどちらかが起点になるわね。
うーん…どっちでも良さそうに見えるけど。
では考え方を変えてみよう。今度は、最後まで消せなさそうなクッキーを探してみるんだ。
最後まで残るやつ…となると、真ん中にあるサークルとグリーンのクッキーになりそうだわ。 真ん中に2個ずつしかないから先に両脇を消さないといけないものね。
最後に残るクッキーはこれだ。
それらを消すためには先に両脇のハートを消す必要がありますね。 ではハートが縦に6つ並ぶように動かしてみましょう。
ハートを起点に大連鎖が決まった。
縦を1列消したことで連鎖が起きて、きれいに全部消すことができたわね。 こうやって配置を観察して最初と最後に消すクッキーを見つけたら、それを繋ぐ動きを考えていくといいわ。
なるほど、ゴールとなる部分から逆算して連鎖を組み立てていくのね。 上手く連鎖が決まると気持ちいいわ(^^)
時間制限がない何度でもリトライできるのでじっくり考えてみてください。 連鎖の練習にもなるので、パズルモードで遊んでいると他のモードも自然と上達する服地効果があります(^^)
これらの問題はテトリスの開発者でもあるアレクセイ・パジトノフ博士が監修しているという触れ込みだったわ。 この宣伝はテトリスファンへの訴求力があったでしょうね。
それにしても100問もあるなんて、そんなにやったら脳味噌が疲れるわあ。へにょへにょになるわあ(;'∀')
頭の疲れには糖分補給が一番ですね。クッキーでもいかがです?(^^)
いただくけど…最近はクッキーばかり食べてる気がするわあ(;'∀')
一度に全部やろうとするなよ(´Д`;)
ステージクリアごとにパスワードが表示されるから、控えておけばまた続きからできるだろ。
ええ、パスワードなの?
スーファミなのにバッテリーバックアップじゃないのね(;'∀')
当時のスーパーファミコン用ソフトは高騰していたでしょ。 1万円程度するものも珍しくなかったわ。 パズルモードの搭載で格段にボリュームアップしたとは言え、先発のファミコン版やゲームボーイ版と大きな価格差をつけたくなかったのよ。
既にファミコンやゲームボーイでプレイでもパズルモードのためにまた買いたいという人もいるでしょうし、コストダウンは大きな命題だったでしょうね。
データセーブ用のバッテリーは大きなコストとなるからな。 あえて省くことでスーパーファミコン用ソフトとしては破格の6,600円で売ることができたわけだ。
それだと当時の感覚からしたらずいぶん安いわね。 そういう理由ならありがたくパスワードを使わせてもらうとするわ(^^;)
せっかくだから他のモードも見てみよう。 スーパーファミコンの性能は本作にどのような進歩をもたらしたのだろうか。
背景が付いて明るい雰囲気に。
従来の1人プレイはアクションモードという名前になりました。 内容に変化はありませんが、背景が付きクッキーの色が鮮やかになっています。
レベル11以降が遊べる隠しコマンドも健在だけれど、今回コマンドの内容は一新されているわ。 スピードをHIに設定してラウンド10をクリアすると明かされるから頑張ってみなさいな。
カラフルで明るい画面になったけど、綺麗になりすぎたのかクッキーが食べ物というよりはブローチやアクセサリーっぽくも見えるのよね(;'∀') 美味しそう度は少し減ったかもしれないわ。
VSモードはゲームボーイ版のシステムを継承しており、プレイヤー同士のほかCPUと戦うこともできますよ。 CPUはキャラクターごとに個性付けがされています。
ステータスはATT(攻撃時間)、DEF(被害時間)、MES(メッセージ間隔)、LIM(導火線のスピード)の4種に分かれているわ。
もう少し噛み砕いて説明するとしよう。 ATTはヨッシークッキーの効果の相手に対する発動時間の長さを示している。 DEFは逆で、攻撃を受けた際の発動時間が短くなるんだ。 実際の発動時間はキャラクター同士のこの数値の差で決まる。
例えばクッパがピーチに攻撃したら、発動時間はかなり長めになるわね。 逆にDEFの数値が図抜けたヨッシーは誰を相手にしても立ち直りが早いわ。
MESはヨッシークッキーの効果が切り替わるまでの時間です。 この数値が大きいと効果が変わるまでの時間が長く、落ち着いて発動を狙うことができます。
マイナス効果が出ている時も長くなるのがネックだけどね。 この数値が小さいピーチはどんどん効果が変わるから好きな効果を狙いにくいけど、相手も何が来るか予測できないから柔軟に対処できたら強いわ。上級者向けたるゆえんね。
このモードでは一定時間クッキーを揃えずにいると時間切れで負けになってしまうのだが、LIMはその制限時間の長さを表す。 この数値はクッパだけが他のキャラの半分になっており、PANICやBLINDなどで集中攻撃を受けると簡単にやられてしまうリスクがある。
クッパの攻撃力は高いですから、先にやるかやられるか短期決戦のぶつかり合いになりやすいです。 パワータイプのクッパらしい戦いが楽しめますね。
みんな個性が立ってて、どのキャラクターを使っても面白いわ。 ハンデをつけたくなければお互い同じキャラクターを使っておけばいいわね。
だけど残念な点もあるわ。 ゲームボーイではアダプタを介して4人対戦ができたけど、このスーパーファミコン版ではそれができなくなっているの。
ええ…そうなんだ?(^^;)
スーファミには5人まで同時プレイできるようになるマルチタップがあるから、てっきりできるものかと思ったのに。
何がダメだったのかしらね。
なぜだろうな? もしかしたらマルチタップは任天堂製品じゃないから対応させなかったんだろうか。 スーパーファミコンならゲームボーイより手軽に4人対戦ができるだけにもったいないところだな。
このスーパーファミコン版は後発だけあって従来作の良いところを取り入れて発展させた決定盤ともいえる出来栄えになっているわ。4人対戦ができないところは返す返す残念だけれど。
じっくり遊び込めるアクションモードにパズルモード、そして対戦と隙がありません。 長く遊べるタイトルに仕上がっています。
しかしそれだけに、2021年現在は新たにプレイできるようなサービスがないのが残念だ。 仮に配信でもされたら人気が出そうなものなのだが。
あれ、バーチャルコンソールとかになってなかったっけ。
かつてWii用バーチャルコンソール対応ソフトとしてファミコン版が配信されたことはあるけど、2013年10月11日をもって早期に終了しているわ。それ以来は新機種が出ても配信は行われていないのよ。
理由はおそらく権利関係だと思われます。 実はヨッシーのクッキーはホームデータとBPSが開発していた『ヘルメティカ』というタイトルが原型となっており、 両社とも権利者として関わっていることがクレジットでも確認できます。
パッケージに書かれているクレジット表記。権利者としてBPS、オリジナルデザインとしてホームデータの名前がある。
ヘルメティカはアメリカにてCESへの出展やロケテストが行われていたが、正式リリースには至らなかったようだ。 これがどのような経緯でヨッシーのクッキーとなったのかは不明だが、任天堂のキャラクターを使いながらもコピーライトは任天堂だけのものではないという状況を生んでいる。
出典:マイコンBASICマガジン1993年3月号より。
権利が任天堂だけにあるわけではないので、単独では自由に移植やリメイクを行うことができないんですね。
任天堂のキャラクターを使うことで知名度を得ることができたし、BPS側の人間関係があってパジトノフ博士を招聘することができたわ。 わりと理想的な関係性で完成したゲームだと思うけれど、時代を経るとお互いの事情も変わってくるからそこは尊重しないといけないわね。
権利関係って難しいわよね…。 でもいつの日かそのあたりを整理して改めて出してくれると嬉しいわね。時代を超えていつまでも楽しめるゲームだと信じてるわ。
初稿:2021年8月21日
最終更新:----年--月--日